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再現 大漁
ある日の午後横浜で買物をしていると、普段は持ち歩かない携帯電話がなった。
妻が珍しく着信音に気づいて、たまたまでた。
甥のてっちゃんからで、今朝魚釣りにいったところたくさん釣れたので、
今から持っていって良いかと言う。
果報は突然やってくる。
しかも普段は滅多に携帯しない携帯電話にでたので話が繋がった。
なんでも、同期の友達と連れ合って初めての魚釣りにいったら、
思いがけず大漁で独身寮に持って帰ることもできず、
どうしたものかと困って電話したとのこと。
箱を開けるとなんと!生きの良いアジが、あふれんばかりに氷詰めされていた。
数えてみると20センチほどのアジが60匹はあった。
船の生け簀で活かしてあったのをそのまま氷付けしたらしく、
目がキラキラしていて身はピンとはねている。
こんな新鮮なアジを見たことがない。今にも飛び跳ねて海に泳ぎだすかのようだ。
いかに美味しくいただくかが勝負どころだ。まずは、三枚におろす。
最初の数匹の手慣らしで要領が戻ってきた。数が多いので、気は軽だ。
皮をパキッと剥ぐ。
そして、小骨を丁寧に一本ずつ骨抜きで抜く。
小骨を抜く面倒なこの作業を、釣り人のてっちゃんに全てやってもらった。
メーカに勤めているだけあって、
作業のチェックをお願いしますと素直にお皿を差し出す。
ついつい便乗して、三枚おろしも頼んだ。
てっちゃんもお魚をさばけることは、婚活に有利と納得。
息子は、アジの下ごしらえがあまりに骨が折れることがわかったのか、
お寿司屋さんにはなれないと弱音をはいていた。
そうでしょう、そうでしょう。
釣り人は釣果だけでは評価されない。ありがたくいただくには修行が必要だ。
甥、息子夫婦、家族総動員で、アジと格闘した。
刺身、焼き魚、たたき、ナメロウ、南蛮付けができた。
全てさばいた。
味は・・・桜色に美しく透き通った刺身は、食べるとほんのりと甘みを感じた。
アジ特有の生臭さがみじんも無い。
どの品も今まで食べたことのない、新鮮なアジの美味しさを満喫させてくれた。
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今日は、大漁の虫の知らせをキャッチしてくれた妻にありがとう。
大漁のアジをもってきてくれたてっちゃんにありがとう。
婚活に貢献してくれたアジにありがとう。
おいしくいただくには修行が必要なことを教えてくれたアジにありがとう。
自然のありがたさを伝えてくれたアジにありがとう。
こんどは、鯛がくるといいな。
つぶやき
ある成功した経営者の言葉を思い出した。
幸運はそこら中に飛んでいる。その幸運がみえるかどうかだけが成功の秘訣だと。