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GIDEON STAFF BLOG

事例:我が社のクラウドへの道(2)

とにかくトライしてみよう! やってみることに意味がある。

クラウド(VPS)にシフトすることで、

  • 停電時でもサービスに支障をきたすことなく運用できる。
  • サーバ機などのハードウェアの管理が不要になる。
これらのメリットが得られる。 しかし、メリットがあれば当然デメリットがある。
最も重要なものの一つは、
  • 社外からのアクセスに対して、どうやってセキュリティを確保するのか?
これについては、
  • クラウド上のサーバにはVPNでしかアクセスできないようにする
  • 別のネットワーク上に専用のサーバを設置して、門番役にする
これらを実施することで十分な強度が得られ、 任意のアクセスポイントから安心してリモートアクセスができると判断した。
十分効果はあるはず。 これまでに各社のクラウドサービスは評価済みなので実現可能だ。 決断すれば、あとはひとつひとつ実行するのみ。

【課題1】データバックアップ
  • 3月15日(火) - 16日(水)
  • まずは社内の重要なデータをバックアップ。
    クライアントPCのVMイメージ作成とそのバックアップをとり、 非常時に持ち出せるよう準備。

【課題2】プライベートクラウド上に主要サーバを構築
  • 3月17日(木) - 18日(金)
  • クラウド環境へ移行するための、DNSの設定などの準備作業完了。

    [方針]
    • データセンタや社内のサーバルームで稼働している、 メールサーバ、ウェブサーバ、データ配信サーバなど 主要サーバをすべてクラウドに移行。
    • 主要サーバは 3 社のクラウドサービスに分散し多重化。
      ひとつのサーバがダウンした場合でも、 他のクラウドサービスにすぐに切り替えられるようにすることで、 業務に影響がでない環境を構築。

【課題3】リモートオフィスの実現
  • 3月19日(土) - 21日(月) 3連休
  • 実家の快諾を受け、大阪にてオフィス開設準備。 電源や回線もなんとかなりそうだ。
    次は、リモートオフィスや自宅待機に備え、開発環境を含めて 社内サーバをリモートからアクセス可能にすることが急務だ。

【課題4】社内サーバおよびクライアント環境のプライベートクラウド構築
  • 4月上旬
  • 夏場の計画停電実施を予測して、社内サーバ10台をすべて撤去。 クライアントPCはノートブックPCに切り替え、節電、停電に対応。
    社内環境をクラウドに移行するため、アクセス制御、 外部からのアクセス制御、外部へのサポートアクセス制御には、 十分な検討及び対策をおこなった。

【課題5】インターネット回線、電話回線の代替回線確保
  • 4月中旬
  • 光通信回線が切断された場合に備え、 別途携帯電話の FOMA網(7.2MBPS)など代替通信手段を確保。
    これによりオフィス以外でもメールの送受信ができ、 業務を行えるようにした。
    さらに電話の別回線切り替えやFAX転送ができる仕組みを導入。

  • 5月中旬
  • クラウドへの移行完了。

当初は停電対策や防災を目的として行なったことでしたが、 期待以上の効果がありました。

【効果1】
社内のサーバを撤去したことで、サーバ機の消費電力を減らせた。
停電時の非常用アクセスサーバもノートブックPCに切り替えることで、 新たにUPSを購入する必要がなくなった。 また、サーバルームの空調設備がいらなくなったことが、消費電力、 そして光熱費の大幅な削減につながった。これはうれしい誤算だ。

【効果2】
ハードウェアのメンテナンス、トラブルの心配から解放されると同時に、 機器への投資も必要なくなった。
運用管理に関わる労務費用も考慮すると、 かなりのコスト削減につながった。

【効果3】
開発・テスト、サポート接続サービス、社内のファイルサーバ、 クライアント PC を仮想イメージとして保存するストレージすべてを クラウド上で実現できた。
その結果、リモートサイトから作業ができるようになった。
さらには、複数社のクラウドサービスの特徴を活かした構成にしたことで、 計算処理能力、 ストレージ容量などリソースを自在に変更することが可能になった。

結果的に、場所を問わずリモートで業務ができる環境に 大きく近づくことになりました。
大阪オフィスの準備をしましたが、 全国で明日から拠点事務所を開設できるわけです。
「火事場の底力」と言いますが、大災害を目の当たりにして、 何かに追われるように、今できる最善の策を実行したように感じます。

皆様の会社でクラウドにご興味がありましたら、 [http://www.gideon.co.jp/products/gideon_cloud/index.html こちら] をご覧ください。
親身になってクラウド化のお手伝いをさせていただきます。

事例:我が社のクラウドへの道(1)

3.11の大災害から3ヶ月が過ぎました。 未だに懸念される余震、そして原発事故と、 あの日を境に世の中が一変したかのように感じます。

あの日から、我が社に起こったことをお話しましょう。
当日、横浜は震度5強の強い揺れがありましたが、 物が壊れるなどの被害は免れました。 しかし、我が社にとって本当の危機はこの後に待っていました。
計画停電です。

3月13日(日)
夕方のニュースで東電の計画停電発表を知りました。
さあどうする?
サーバがストップしたら、お客様へのサービスに支障をきたし、 迷惑をかけることになる!
3月14日(月)
そうだ、自家発電機という手がある。 早速通販サイトで購入しよう! と思ったらすべて売り切れ、在庫なし。

社員A
「社長、どうしましょう。 サーバ機だけでも動いていれば何とかなるんですが。 地方のお得意さんの所に間借りさせてもらえないでしょうか」
社長
「そうだな、無理を言って頼むしかないかな。 ○○工業ならシステム環境も整っているから、お願いできればすぐに 業務ができるぞ。
……しかし、いくら非常時とは言え、 突然別の会社のシステムがオフィスに入ってくるなんて、 やっぱりありえないだろうなぁ」

テレビでは福島原発が煙をあげている映像が流れていました。
工学系大学出身の社長は、 この時すでにこの影響が広範囲に及ぶことを覚悟していました。

社長
(停電がなくても本当に避難が必要になるかもしれない……。
大阪にある実家のビルの2階が空いている。 あそこを仮オフィスにするという手もあるか……。
でも運用サーバをすべて移設するのは時間もかかるしコストも大きい。
そうだ、自社でプライベートクラウドを構築すれば、 問題は解決するはずだ)

とにかくトライしてみよう! やってみることに意味がある。